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高性能住宅

気密性の高い家とは?
知らないと損する!
快適な暮らしを左右する秘密

気密性は、快適な室温の維持や光熱費の節約に役立ちます。ただ、それだけでは理想の住まいとは言えません。断熱性や換気性能なども含め、住宅性能を総合的に考えることが大切です。そのためには、技術と知識を備えた施工会社を選ぶことが求められます。

「気密性」とは?

気密性とは

 

「気密性」とは、建物における隙間の少なさを性能として示すものです。つまり、「家がどれだけ外の空気を中に通さないか」を表しています。

 

気密性が高い家は、壁や床・天井・窓・ドアといった部分の隙間が少なく、家全体がまるで魔法瓶のように外の環境と遮断されているのです。

 

家づくりや住まい探しにおいて、見た目のデザインや間取りだけでなく、その住宅の性能が暮らしの質を大きく左右します。中でも、「気密性」は、快適に暮らせる空間をつくるためにとても重要なポイントです。

 

「気密性」と「C値」の違い

気密性の高さは「C値(隙間相当面積)」という指標で数値化されています。これは、家全体の隙間の合計面積を床面積で割った値で、数値が小さいほど隙間が少なく、高気密な家ということになります。

 

例えば、C値1.0とは、家全体の隙間をすべて合計するとハガキ1枚分程度の大きさしかないことを意味します。この数値を確認することで、その家がどれだけ丁寧につくられているかが分かるとも言えるのです。

 

「気密性」と「断熱(UA値)」の違い

どんなに優れた断熱材を使っても、隙間だらけの家ではその効果を十分に発揮できません。気密性が低いと、外の冷たい空気や熱い空気が隙間から侵入するため、せっかくの断熱性能が活かされず、快適な室内環境を保つことは難しくなります。

 

気密性が「隙間からの空気の漏れやすさ」を示すのに対し、UA値は、「壁や窓からの熱の逃げやすさ」を数値で表したものを示しています。このUA値が小さいほど、熱が逃げにくい高断熱な家と言えます。

 

つまり、気密性は、家の断熱性能(UA値)を最大限に引き出すための、いわば土台となる要素なのです。この2つの性能が揃ってはじめて、省エネで一年中快適な家が実現します。

 
 

気密性が重要な5個の理由

5つの理由

 

家づくりにおいて、「気密性」は建物の性能と住む人の快適性を根本から支える土台となります。特に以下の5つのポイントは、家づくりを考える上でぜひ注目していただきたい理由です。

 

 

1.省エネ性能を最大限に引き出すため
気密性が低い家は、隙間から外気が侵入するため、どんなに高性能な断熱材を使ってもその効果を十分に発揮できません。これは、穴の空いた魔法瓶のような状態です。気密性を高めることで、断熱材の性能を最大限に活かし、冷暖房の効率を劇的に向上させることができます。

 

2.健康被害リスクを低減するため
気密性の低さは、家全体の温度差を生み出します。特に冬場は、リビングとトイレや脱衣所の温度差が大きくなり、体に大きな負担をかける「ヒートショック」のリスクが高まります。気密性を確保することで、家中の温度を均一に保てるため、このヒートショックの危険性を減らし、健康的な室内環境を維持することができます。

 

3.建物の劣化を防ぐため
隙間から侵入した湿気が壁の内部で結露を起こすことがあります。この「壁内結露」は、構造材を腐食させたり、カビを発生させたりする大きな原因となります。気密性を高めることは、建物を湿気から守り、長寿命化を図る上で不可欠な要素です。

4.計画換気を成立させるため
気密性が確保されていないと、換気の流れが不安定になり、汚れた空気や湿気を効率よく排出できません。高い気密性を持つ家では、計画換気が安定して機能し、室内の空気質を一定に保つことができます。

5.施工精度の検証・品質の担保のため
気密性は、施工の精度や建物の仕上がりを確認する重要な指標です。施工後に気密性能を測定することで、隙間や施工不良を検出でき、品質の高い建物を確実に提供することが可能です。

 
 

気密性の高い家のメリット

気密性の高い家のメリット

 

気密性の高い家は、日々の生活を快適にするさまざまなメリットをもたらします。

 

  1. 光熱費の節約
    これは、最も大きなメリットとしてお伝えしたいポイントです。気密性が高い家は、冷暖房で調整した空気が外に逃げにくいため、冷暖房の効率が格段に上がります。その結果、電気代やガス代を大幅に抑えることができ、長期的に見ると家計にとって大きなプラスとなります。

 

  1. 防音効果
    隙間が少ないため、外部からの騒音が室内に入り込みにくくなります。車や電車の音が気になる場所に住んでいても、静かで落ち着いた室内環境を保つことができます。 
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  3. ハウスダストや花粉の侵入を防ぐ
    気密性が高いことで、外部からのホコリや花粉、PM2.5といった汚染物質の侵入も防ぎます。アレルギーを持つ方でも安心して過ごせる、クリーンな室内環境を維持することが可能です。 
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  5. 家が長持ちする
    気密性が高いことで、隙間からの湿気の侵入や結露を防ぐことができ、壁や構造材の劣化を防ぎます。その結果、建物の寿命を延ばし、長く快適に住み続けることができます。

 

 

気密性の高い家のデメリット

気密性の高い家のデメリット

 

良いことばかりのように見える高気密住宅ですが、いくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。

 

  1. 換気計画に基づくこまめな換気が重要

気密性の高い家では、窓を開けただけでは空気の入れ替えがほとんどできません。そのため、住宅では計画換気に基づき、24時間換気システムが設置されています。このシステムにより、室内の空気が常に適切に循環し、新鮮な空気を保つことが可能です。ただし、換気システムを止めたり、メンテナンスを怠ったりすると、空気がよどみ湿気がこもりやすくなるため注意が必要です。

 

  1. 窓の結露
    室内の湿気が外気で冷やされた窓ガラスに触れると、結露が発生しやすくなります。結露を放置すると、カビの原因になるなど大きなデメリットがあります。しかし、計画的な換気システムの設置と、高性能な窓(ペアガラスやトリプルガラスなど)の採用、さらに施工を丁寧に行うことで、結露の発生を防ぐことが可能です。

 

  1. 施工費用が割高になることも
    住宅の高い気密性を確保するためには、一般的な家よりも丁寧な施工や、高性能な建材が必要になります。そのため、建築費用が若干高くなることがあり、一時的にデメリットだと感じられますが、長期的な光熱費の節約効果を考慮すると、初期投資を回収できるケースが多いです。

 
 

気密性の高い家を建てる際の注意点

気密性の高い家を建てる際の注意点

 

理想の住まいを実現するためには、気密性の高い家を建てるためのポイントをしっかりと押さえておくことが重要です。ここでは、参考にすべきポイントをいくつか挙げていきます。

 

・C値の確認
住宅メーカーや工務店に、その会社が建てる家のC値(気密性の数値)がどのくらいかを確認しましょう。具体的な数値で示してもらうことで、その会社の技術力や気密性へのこだわりがわかります。さらに、C値の数値保証があるかどうかや、測定時に立ち会いが可能かも確認すると安心です。これにより、施工の精度や完成後の性能をしっかり把握できます。

 

・設計段階からの検討
気密性を高めるためには、設計段階からの工夫が欠かせません。外壁の凹凸が多い複雑な形状の家は隙間ができやすく、シンプルで真四角に近い設計は気密性を確保しやすいだけでなく、コスト削減にもつながります。また、窓やドアの数や配置も熱の出入りに大きく影響するため、性能を意識した設計が重要です。

 

・断熱材とのバランス
気密性と断熱性は密接に関係しています。どんなに隙間が少なくても、断熱材の性能が低ければ、熱は壁を伝わって逃げてしまいます。高気密・高断熱はセットで考えるべきものです。

 

・丁寧な施工が不可欠
気密性の高さは、建材の性能だけでなく、職人さんの施工技術に大きく左右されます。隙間をしっかりと埋めるコーキング材の使い方や、断熱材の隙間のない設置など、細部にまでこだわった丁寧な施工が不可欠です。

 

・設計段階からの工夫
気密性を高めるためには、設計段階での工夫が重要です。
 
 1.家の形状をシンプルにする
  凹凸が多い複雑な家は隙間ができやすく、真四角に近い形状が気密性を確保しやすくなります。

 2.窓やドアの配置を工夫する
  数や位置によって熱の出入りや換気効率に影響します。性能を意識して配置しましょう。

 3.屋根や間取りも施工しやすく設計する
  複雑な形は施工時に隙間ができやすいため、施工しやすい設計が重要です。

 4.断熱材・換気計画とあわせて考える
  高気密・高断熱の家を無理なく実現するために、断熱性能や換気計画も設計段階で意識しましょう。

 

 

気密性の鍵を握る『窓』と『換気』

気密性の鍵を握る窓と換気

 

気密性を語る上で、窓と換気は切っても切り離せない重要な要素です。それぞれの役割をより効果的にできる素材やシステムを上手く利用すれば、快適な暮らしを実現できます。

 

窓の役割とおすすめの組み合わせ

家の中で外の暑さや寒さの影響を最も受けやすいのは「窓」です。壁の気密性が高くても、窓の性能が低いとそこから熱が逃げてしまいます。そのため、ガラスの種類とサッシ素材の組み合わせを工夫することが重要です。

 

ガラス サッシ素材 おすすめ理由
複層ガラス(ペアガラス) 樹脂サッシ ガラス2枚で断熱効果があり、樹脂サッシと組み合わせることで熱の出入りを抑え、コストも比較的抑えられる
トリプルガラス 樹脂サッシ ガラス3枚でさらに高断熱。樹脂サッシと組み合わせることで、より優れた断熱性能と快適性を実現

 

換気の役割

気密性の高い家は、空気が外に漏れにくい分、しっかりとした換気システムがなければ快適に暮らすことができません。実際に、法律でも設置が義務づけられているものもあり、それだけ大切な設備だと言えます。換気のシステムは種類があり、それぞれに特徴があります。

 

換気システムの種類 説明
24時間換気システム 家の中の空気を常に新鮮に保つために、建築基準法で設置が義務づけられています。
熱交換換気システム 換気の際に、外に出る空気の熱や冷気を利用して、新しく入ってくる空気にその熱を伝えることで、冷暖房の効率を高めます。

このような換気の工夫をうまく取り入れることで、気密性の高い家は、はじめてその性能をしっかりと発揮できるようになります。

 

 

快適に暮らせる家は気密性だけではなくトータルで考える

快適に暮らせる家は気密性だけではなくトータルで考える

 

快適な家づくりは、気密性だけでは決まりません。理想の住まいには、気密性・断熱性・換気といった住宅性能を総合的に考えることが不可欠です。

 

設計段階から、冬は日射取得、夏は遮熱や通風を考慮するパッシブデザインを取り入れることで、自然の力を活かし、一年中快適な暮らしを実現できます。

 

こうした性能を確実に形にするためには、確かな技術力と専門知識を持つ施工会社選びが最も重要です。デメリットも含めバランスを取りながら、健康的な住まいを手に入れましょう。