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高性能住宅

エコキュートの設置で
光熱費を大幅削減!
メリット・デメリットを徹底解説

エコキュートを設置し、光熱費を削減して環境に優しい暮らしが実現しませんか?
家庭のエネルギー消費の約30~35%は給湯に使われています。給湯に使うエネルギーの消費を抑えることで、光熱費削減や省エネにつながります。
この記事では、仕組みや設置時の注意点を解説し、長寿命化のためのメンテナンス方法や効率的な運用のコツも紹介します。エコキュートで賢く快適な生活を始めましょう。

エコキュートとは?

エコキュートとは?

 

エコキュートは、正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」と呼ばれる家庭用の給湯システムをいいます。このシステムは、空気中の熱を利用する「ヒートポンプ技術」を採用し、環境に配慮しながら効率的にお湯を沸かすことができます。

 

エコキュートの大きな特徴は、冷媒として二酸化炭素(CO₂)などの「自然冷媒」を使用している点です。これにより、オゾン層を破壊するフロン系冷媒の使用を避け、地球温暖化係数を低く抑えることができます。

 

また、深夜の電気料金が低い時間帯に稼働させることで効率的にお湯を沸かして貯湯タンクに蓄えるのがポイントです。これにより、昼間の電力消費を抑えることができ、結果として家庭の電気料金の削減に繋がります。

 

この省エネ設計は、一般のガス給湯器はや電気温水器と比較しても大きなメリットとなります。一般のガス給湯器は、ガスを燃やして一気にお湯を作るので、エネルギーをたくさん使ってしまいます。一方でエコキュートは空気の熱を集めて、その熱を使ってお湯を作ることができます。少ない電気でたくさんのお湯を使えるので電気代も安くなります。

 

設置工事が必要なため初期投資は高いですが、長期的に見れば光熱費を大幅に節約できるため、ガス給湯器や古い電気温水器からの買い替えを検討する家庭が増えています。さらに、補助金制度を利用できる場合があり、設置のハードルを下げられます。

 

エコキュートの仕組み

エコキュートの仕組み

 

エコキュートの仕組みを簡単に記載します。

 

  1. ヒートポンプユニットが外気の熱を吸収します。
  2. 吸収した熱を圧縮し、さらに高温に高めます。
  3. .高温にした熱を水に伝え、効率よくお湯を沸かします。
  4. 温めたお湯を貯湯タンクに保管します。
  5. 貯湯タンク内のお湯に水を加え、設定温度に調整して供給します。

 

エコキュート設置のメリット

メリット

 

1. 高い省エネ性能

エコキュートは、空気中の熱を利用するヒートポンプ技術を採用しているため、少ない電力で効率的にお湯を沸かすことができます。1kWhの電力を使って約3〜5kWh相当の熱エネルギーを生み出せるため、エネルギー効率が非常に高いです。

 

2. 光熱費の削減

エコキュートは主に安価な夜間電力を使用して稼働するため、昼間の電力消費を抑えることができます。深夜にお湯を沸かし、貯湯タンクに蓄え、蓄えたお湯を使用して生活するという仕組みにより、ガス給湯器や従来の電気温水器と比較して、光熱費を大幅に削減することができます。

 

3. 環境にやさしい

冷媒には、二酸化炭素などの「自然冷媒」を使用しており、オゾン層破壊の原因となるフロン系冷媒を使用しません。また、化石燃料を使わないため、CO₂の排出量がとても少なく、地球温暖化対策にも大きく貢献できます。

 

4. 安定した給湯

大容量の貯湯タンクにお湯を蓄えるため、家庭で必要な時間帯に安定してお湯を供給することができます。お風呂、台所、洗面所など複数の場所で同時に使用しても十分な量を確保することができます。

 

5. 高い安全性

ガスや灯油を燃焼させる必要がないため、火災や一酸化炭素中毒のリスクがありません。また、外部燃料を必要としないため、燃料の取り扱いや保管に関する手間もカットできることも大きなメリットになります。

 

6. 補助金制度の活用

自治体や政府による補助金や助成金制度を活用することで、設置等の導入費用を抑えることが可能です。これにより、初期投資を負担に感じる家庭でも導入しやすくなっている点も大きなポイントです。

 

7. 長寿命でメンテナンスが簡単

エコキュートは、一般的に長寿命で耐久性が高く設計されています。また、定期的な点検や清掃で安定した性能を維持しやすく、メンテナンスの手間が必要ありません。

 

これらのメリットにより、エコキュートは経済面と環境配慮面を両立した次世代の家庭用給湯システムとして、多くの家庭で選ばれるようになっています。

 

エコキュート設置のデメリット

デメリット

 

エコキュートは多くのメリットを持つ家庭用給湯システムですが、導入前に理解しておくべきデメリットもいくつか存在します。

 

以下に主なデメリットをまとめましたのでご紹介していきます。

 

1. 初期費用が高い

エコキュートの設置には、機器代や工事費を含めて数十万円〜百万円程度の初期投資が必要です。これは従来のガス給湯器や電気温水器と比べて高額であるため、導入時のコストが大きなハードルとなる場合もあります。

 

2. 設置場所のスペースが必要

エコキュートは「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つの大きな機器で構成されており、設置には一定のスペースが必要です。特に、貯湯タンクは大きな冷蔵庫ほどのサイズがあるため、狭い敷地やスペースの限られた住宅では設置が難しい場合もあります。

 

3. 夜間電力の契約が必要

エコキュートの省エネ性を最大限に活かすためには、電力会社の「夜間電力プラン」への加入が推奨されます。ただし、こうしたプランは昼間の電気料金が高く設定されていることが多いため、昼間の電力使用量が多い家庭では、トータルの電気料金が高くなる可能性もあります。

 

4. 貯湯タンク内のお湯が不足する可能性

エコキュートは貯湯タンクに蓄えられたお湯を使う仕組みのため、想定以上に多くのお湯を使用した場合、タンク内のお湯が不足することがあります。再度お湯を作るには時間がかかるため、大量のお湯を使うご家庭や来客が多い場合には注意が必要です。
 

5. 停電時に使用できない

エコキュートは電力で稼働するため、停電が発生すると給湯ができなくなってしまいます。特に災害時など、電力供給が不安定な状況ではお湯が流れないなどの不便に感じられる可能性があります。一部のモデルではタンク内の残り湯を手動で利用する方法もありますが、使い勝手が制限される点はデメリットとなります。

 

6. 運転音が気になる場合がある

ヒートポンプユニットの運転音が、静かな環境では気になることがあります。特に夜間に稼働するため、近隣に迷惑がかからないよう設置場所を十分に検討する必要があります。

 

これらのデメリットは、設置条件や家庭のライフスタイルによって影響の大きさが異なります。導入前に、ご自宅の条件やライフスタイル、工事の流れを考慮し、メリットとデメリットを比較することが重要です。

 

エコキュートはこんな人におすすめ

エコキュートはこんな人におすすめ

 

エコキュートは、環境意識や家計の節約、快適性を重視する方に適しています。以下のようなニーズやライフスタイルを持つ方におすすめです。

 

1.オール電化住宅の方

オール電化住宅とは、ガスコンロやガス給湯器を持たず、電気だけで生活する住宅のことを指します。
 
エコキュートは、ガス給湯器と違って、お湯を休止するタンクがあるため、一度作ったお湯を再加熱せずに使うことができます。この仕組みにより、効率的に電気代を抑えることができます。

 

特に、従来の電気温水器をお使いの方は、エコキュートへの買い替えを検討することで、さらに電気代を節約できるでしょう。
 

2.太陽光発電をしている方

太陽光発電は夜間に発電効率が最も良いため、夜間に稼働するエコキュートとの相性は抜群です。 太陽光発電をご自宅で導入されている方は効率的にお湯を沸かすことで、電気代を節約しながらたくさん活用できます。

 

3.寒冷地に住んでいる方

寒い地域では、ガス給湯器で沸かすのに時間がかかり、ガス代が高くなりがちです。しかし、エコキュートは内部で空気を圧縮してお湯を沸かすため、エネルギーを通常の約3分の1と考えることができ、電気代が抑えられます。
 

4.昼間に自宅にいない方

お湯の使用頻度は昼間よりも夜間に集中しやすいので、通常のガス給湯器では、帰宅後にお湯を沸かすため、エネルギーを多く使いコストがかかりやすいです。エコキュートを導入した場合、自宅にいない間にお湯を沸かしておけるため、帰宅してから使用するお湯をわざわざ沸かし直す必要がありません。

 

5.光熱費を節約したい人

エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす「ヒートポンプ技術」を採用しているため、ガスや石油を使う従来の給湯器と比べてエネルギー効率が非常に高いため、電気代を大幅に抑えることが可能です。

 

近年は電気代が高騰しており、電気代の請求で悩んでいる方も多くいます。少しでも電気料金を節約したい方は、エコキュートの導入がおすすめです。

 

エコキュート設置における重要な対策

エコキュート設置における重要な対策

 

エコキュートを設置する前に確認すべきポイントを詳しく解説します。
これらを事前にチェックすることで、スムーズな設置工事が可能となり、長期的に快適な利用をすることができます。

 

1.設置前に確認すべきポイント

エコキュートを設置する際は、貯湯タンクユニットが高さ約2メートル、ヒートポンプユニットが幅約80センチ程度あるため、周囲に余裕を持ったスペースを確保し、空気中の熱を利用するヒートポンプは風通しの良い場所に設置し、密閉的な空間や狭い場所を避ける必要があります。

 

さらに、ヒートポンプの動作音や振動が特に夜間や静かな環境で気になる場合もあるため、隣家や寝室から離れた場所に設置することをおすすめします。
 

2.設置工事の注意点

エコキュート設置工事では、配管工事中に断水となるため、水が必要な場合は、事前にバケツなどに水を溜めておく必要があります。

 

また、工事中は給湯器が使えないため、お風呂やお湯の利用もできません。交換作業の場合は、既設の貯湯タンクユニット内のお湯や水を抜いておき、工事の音や振動への配慮からご近所への挨拶を前日までに済ませておくことなどが大切です。
 

3.運用時のトラブル事例

エコキュートのメンテナンスを定期的に行っていても、不具合や故障を完全に防ぐことは難しいため、以下にエコキュートでよくあるトラブル事例を紹介します。事前に確認しておくことで、万が一の際にも冷静に対応することができます。

 

・お湯は出ないが水は出る

お湯が出ないのに水は出る場合、故障の可能性は低く、このようなケースは冬期に発生することが多いです。

 

エコキュートは屋外に設置されるため、寒い季節には配管が凍結し、お湯が出なくなることがあります。このトラブルは配管の凍結が解消すれば自然に改善することがほとんどです。特に北海道や東北地方などの寒冷地にお住まいの方は、寒冷地仕様のエコキュートを導入することで、このような事態をほぼ回避することが可能です。
 

・シャワーのお湯が出ない

シャワーのお湯が出ない場合は、まず貯湯タンクにお湯がない可能性があるため「沸き増し」機能でお湯を手動で沸かすか、給湯温度が低い設定になっていないかを確認しましょう。

 

全ての蛇口からお湯が出ない場合は、エコキュート本体の温度調節機能が故障している可能性が高いため、販売店やメーカーに修理を依頼し、シャワーのみお湯が出ない場合は、シャワー蛇口の温度調節機能の故障が考えられるため、水道業者や販売店に修理を依頼してください。
 

・お湯はりができない

お湯はりができないケースの原因は、エコキュートのトラブルまたは浴槽の循環口のトラブルの2つが考えられます。

 

まず、エコキュートの残湯量やエラー表示を確認し、他の蛇口からお湯が出る場合は、エコキュートのトラブルではありません。

 

エコキュートに問題がない場合は、浴槽の循環口の配管に劣化や緩みがあり、お湯が漏れて出なくなっている可能性が高いため、原因に応じて対処が必要です。

 

・貯湯タンクにお湯が貯まらない

貯湯タンクにお湯が貯まらない場合の主な原因は貯湯タンクや配管の水漏れです。お湯の沸き上げが正常に行われていても、水漏れが起きているとお湯が貯まってもすぐに残湯なしの状態になってしまうため、水漏れを解消しない限り問題は解決しません。早急に修理を依頼する必要があります。
 

・異常な動作音

ヒートポンプから異常な音がする場合は、ファンやコンプレッサーのトラブルが考えられます。運転を停止して業者に相談しましょう。
 

・電気代が急に高くなる

ヒートポンプの効率低下や設定ミスが原因となることがあります。設定温度や運転モードを確認し、不明点は業者に問い合わせましょう。

 

4.設置後のアフターケア

設置後は、業者から操作方法の説明を聞き、定期的なメンテナンスや水漏れのチェック、貯湯タンクの残湯確認、停電時の備え、ヒートポンプ周辺の清掃、異常音の確認、適切設定温度の管理、寒冷地での凍結対策をしっかり行い、必要に応じて専門業者に相談しましょう。
 
これらのアフターケアを心がけることで、エコキュートの性能を長期間維持し、快適に利用することができます。

 

エコキュート設置工事の流れ

エコキュートの設置工事は、以下の手順で進められます。

 

1. 設置場所の確認

最初に設置場所を確認し、必要なスペースが確保されているかをチェックします。
 
次に、工事導線も確保し、レッカー作業の有無や搬入スペースが不足している場合は、事前に調整が必要です。
 

2. 既存設備の撤去と基礎工事

現在使用中の給湯設備を撤去し、再利用可能な配管は必要に応じて改良を加えます。
 
貯湯タンクユニットの重量(満水時400〜600kg)に耐えられるよう、コンクリートや砂利を使用してしっかりした土台を築きます。
 

3. 設置作業の流れ

① 既設給湯器の撤去

給湯器内部の水を抜き、配線や配管を取り外して搬出します。
 
② 屋内リモコンの設置と配線・配管工事
台所や風呂場のリモコンを交換し、配線・配管の仕込み作業を行います。
 
③ 貯湯タンクユニットの設置
土台に貯湯タンクを設置し、アンカーボルトで固定。タンクが水平になるように調整します。
 
④ 配管・配線の接続
給排水、給湯配管や電気配線を接続し、ヒートポンプの配管も取り付けます。
 
⑤ 試運転と設定
タンクに水を張り、試運転を行って動作確認と設定を進めます。
 
⑥ 水漏れ確認と仕上げ
各配管の水漏れを確認し、配管に保温材を巻いて最終仕上げを行います。
 
⑦ 操作説明と清掃
コンクリート基礎の点検を行い、お客様に操作方法やお手入れの仕方を説明し、現場の清掃をして完了です。
 
エコキュートの設置では、コンクリート基礎がタンクの安定性と耐久性を確保する重要な役割を果たします。

 

エコキュート設置で快適な給湯環境を

快適な給湯環境

 

エコキュートの設置には、工事や配管・電気配線の準備・交換作業が必要です。
 
しかし、家庭のエネルギー消費の約30~35%を占める「給湯」を効率化することで、光熱費の節約や省エネが実現できます。
 
補助金制度を利用できれば初期費用を抑えられるため確認すると良いでしょう。
エコキュートは家庭の給湯環境をより快適にするだけでなく、地球環境にも優しい選択肢です。ぜひ、専門業者と相談しながら導入を検討してみてください。