
CLEAN ENERGY
クリーンエネルギー
太陽光発電量の目安と費用対効果
福井県でも十分発電可能!
福井県は雪や曇りのイメージがありますが、十分な発電量が確保できる地域です。
発電量は屋根の条件や設置環境で変わるため、導入前にシミュレーションで電気代削減効果を具体的に計算することが重要です。
太陽光発電量の基本知識

太陽光発電は、太陽光パネル(光を電気に変える装置)に太陽の光が当たると電気が生まれる仕組みです。二酸化炭素をほとんど出さない再生可能エネルギーで、日本でも補助金制度や再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)などの政策により、太陽光発電の導入が広がっています。
実際の発電では、影(一部のパネルに影がかかると、接続された他のパネル全体の発電効率が下がる)・配線ロス(電気が配線を通る際に、抵抗によってわずかに熱が発生し、その分のエネルギーが失われる)・温度上昇(パネルが熱いほど発電効率が落ちる)などの理由で、出力が下がることがあります。見込まれる出力と損失を考慮して、発電量の計算を行うことが重要です。
太陽光発電の5つのステップ
太陽光発電は次のような流れで行われます。
| ステップ | 内容 | 補足ポイント |
| 1. 発電 | ソーラーパネルが太陽光を受け、半導体の中で電子が動いて直流(DC)の電気が発生します。 | 乾電池やモバイルバッテリーと同じ直流で、そのままでは家庭用に使えません。 |
| 2. 変換 | パワーコンディショナー(※1)を通して、直流を交流(AC)に変換します。 | 家庭用の電化製品やコンセントは交流に対応します。 |
| 3. 利用 | 変換された電気は家庭内で使用されます。照明・冷蔵庫・エアコン・テレビなどに活用できます。 | 発電量が不足すれば電力会社から購入します。 |
| 4. 売電 | 余った電気は電力会社に送電され、買い取ってもらえます。 | 日本ではFIT制度(※2)により一定期間、国が定めた価格で売電可能です。 |
| 5. 蓄電 | 蓄電池にためた電気を夜間や停電時に利用できます。 | 自家消費型利用を推進でき、災害時の非常用電源としても役立ちます。 |
(※1)ソーラーパネルで発電された直流の電気を、家庭で使えるのは 交流に変える機器
(※2)再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が「一定価格」で「一定期間」買い取ることを国が約束する制度
福井県の年間発電量の目安

福井県は日本海側で曇りや雪の印象がありますが、実際にはドイツやロンドンなどの太陽光先進国よりも日照時間が長いのが特徴です。
・福井県の年間日照時間:1,777時間(2019年/気象庁)
・1kWあたりの年間発電量の目安:約1,200kWh〜1,300kWh
したがって、代表的なシステム容量別でみると以下のようになります。
| システム容量 | 年間発電量目安 | 月間平均 |
| 3kW | 約3,600〜3,900kWh | 約300〜325kWh |
| 4kW | 約4,800〜5,200kWh | 約400〜430kWh |
| 5kW | 約6,000〜6,500kWh | 約500〜540kWh |
この数値は標準的な条件での目安ですが、屋根の角度・方位・影などを反映したシミュレーションで、より正確な計算が可能です。
季節ごとの発電量の特徴

太陽光発電は、一年を通して安定的に発電するわけではありません。日照時間によって発電量が変化します。そのため、日照時間の短い冬や梅雨の時期は発電量も少なくなり、夏は日照時間が長いので、ソーラーパネルが高温になるため太陽光パネルの効率が下がり、発電量が少なくなります。
福井県のような地域では、下記のように季節によって発電量にばらつきがあります。
| 春・秋
(3〜5月/9〜11月) |
日射量と気温のバランスが良く、最も発電効率が高い時期です。 |
| 夏
(6〜8月) |
日射量は多いが、太陽光パネルの温度が高くなり効率がやや低下することもあります。ただし長い日照時間でカバー可能です。 |
| 冬
(12〜2月) |
雪で太陽光パネルが覆われ、発電量は年間最小ですが、年間平均で見れば十分な電力量を確保可能です。 |
発電量からわかる電気代削減効果

ここでは、年間発電量の目安をもとに、福井県での電気代削減効果を挙げていきます。
kWあたりの発電量と電気料金の関係
一般的に、1kWの太陽光パネルを設置すると、福井県でも年間約1,000kWh前後の発電が期待できます。
電気料金を1kWhあたり30円と仮定すると、1kWあたりの電気代削減効果はおよそ年間30,000円です。
たとえば家庭用で多い 4kWシステムの場合、年間
・発電量:約4,000kWh(損失を含め3,400〜3,600kWh)
・電気代削減効果:約10万円前後/年間
となります。
導入費用は100万円台前半が目安で、約10年で回収可能といわれています。ここでも「電気代削減効果の計算」が費用対効果の判断に欠かせません。
自家消費と余剰売電
削減効果は「自家消費率」と「売電価格」にも左右されます。
・自家消費:家庭で使う電気をまかなえば、その分の電気代が削減されます。
・売電:使いきれなかった電気は電力会社に売ることができます。
電力会社への売電価格は年々下がっているものの、電気料金は上昇傾向にあるため、今後は「できるだけ自家消費する」事が費用対効果を高めるポイントです。
費用対効果の目安
太陽光発電の導入費用は下がってきており、4kWシステムなら100万円台前半で設置できるケースもあります。年間約8〜10万円の削減効果を考えると、およそ10年程度で投資回収が可能です。
発電量シミュレーションの重要性

発電に関する目安はあくまで指標であり、実際の設置条件では損失要因も考慮する必要があります。
具体的には、
・太陽光パネルの方角や角度
・影響する建物や樹木の影
・システムの損失係数(配線ロスやパワコンの効率)
・雪や汚れによる遮光の影響
を反映した上で、システム全体の影響を含めた発電量のシミュレーションが重要です。シミュレーションでは、地域特性や日照条件を反映した年間の想定出力が提示されます。
特に福井県のような積雪地域では、冬季の積雪角度や屋根の設置角度が発電効率に大きく影響します。そのため、角度を考慮した年間を通じた発電量の見積もりが重要です。
福井県でのシミュレーションの意義
福井県のように冬に雪が積もる地域では、発電量の見積もりシミュレーションがより重要です。
冬は太陽光パネルが雪で覆われて発電が止まる日がある一方、春〜秋は日照時間が長く、年間では十分な発電量を確保できます。こうした季節差を踏まえ、角度を考慮した年間を通じた発電量をシミュレーションで確認することが大切です。
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福井県は雪や曇りのイメージがあるものの、春から秋にかけては日照時間が長く、太陽光パネルを適切な角度で設置すれば、実際には十分な発電量を確保できる地域です。さらに、最適な設置方法を選ぶことで、損失を抑えながら実際の出力を最大化できるのです。
ただし、発電量は屋根の条件や設置環境によって変動するため、設置前には、必ず「発電量と削減効果の計算」を行い、各ご家庭の年間発電量・自家消費率・電気代削減額を具体的に確認しましょう。








